風の盆

風の盆の最終日の夕方富山駅に着きその足で越中八尾に

相変わらず厳しい暑さだったが
井田川沿いを歩く頃には日が暮れ 川を渡る風は涼しく 水の音が心地よい

川向こうの坂の上の家並みの明かりと ぼんぼりが何とも幻想的だ

初めて風の盆を見たのは12年前のこと

若い男性の力強く勇壮な踊り それでいてすっと伸びた手の先はしなやかで 色っぽく その優美さに心を強く奪われ いつの日かもう一度訪れたいと思った

今年は最終日と週末が重なり何処も人、人、人
到底自分一人の思いに浸ることなんて無理だろうなぁと思いつつ川沿いの広場に座るが すぐに風の盆の不思議な静けさの中に引き込まれていった

三味線の音に 胡弓の伸びやかな哀調帯びた音が絡み合い
その上 男の人の高い歌声が素晴らしい

緩やかゆえ 弦方と歌い手の音程の乱れはすぐにわかる

でもそんな心配は 余計なことだった

次第に聴き入る
歌の合間の掛け声が何とも絶妙で ゾクッとするくらい艶がある
どんな人?と
見るが普通のおじさん
目を閉じて耳だけで感じるほうが素敵
f^_^;

あぁ~夜通し座っていたいなぁ

体力あるあいだに
もう一度訪れたいと思った

その時はどんな思いが心を占め この風の盆を感じるのだろう、、、、

家に戻り 高橋治作の「風の盆恋歌」を読み返した
おわらと八尾が好きでないと書けない小説だなぁと改めて思った

カテゴリー: 若岡 — kotonoha 12:28 PM  コメント (0)